さい帯血(臍帯血)について考えてみた ~公的さい帯血バンクと民間さい帯血バンク(さい帯血プライベートバンク(ステムセル研究所))

FP

(※2020/8/12追記) 出産時に無事にさい帯血が取得でき、検査した結果、問題が無かったため、さい帯血が保管されました。良かったです。

きちんと調べてみようと思ったきっかけは、病院に置かれていたパンフレットでした。

これまでは「さい帯血(臍帯血)」は赤ちゃんのへその緒から取る血液で、取っておくと将来本人の病気の時などに有効に利用できるらしい、というようなざっくりとした認識でしたが、色々と調べてみたので記載していきます。

赤ちゃんを出産予定のお母さんへ(臍帯血関連情報) (厚生労働省)

まずは厚生労働省のページで概要を把握しました。公的と民間の違いだけでなく、届出のあった民間2社(株式会社ステムセル研究所、株式会社アイル)の臍帯血の引渡し実績等についても記録がありましたので、参考にさせてもらいました。

造血幹細胞移植情報サービス (骨髄バンク・さい帯血バンク ポータルサイト)

関東甲信越さい帯血バンク (日本赤十字社 関東甲信越ブロック血液センター)

公的さい帯血バンクは、献血のようなイメージで考えると良いと思います。さい帯血を提供し、さい帯血バンクで保管され、移植などが必要な方(型が適合した型)に提供されます。公的さい帯血バンク(臍帯血供給業者)は厚生労働大臣の許可を受けた業者で、現時点で全国6か所ありますが、提携している採取施設(産婦人科)がそれほど多くないように感じました。臍帯血保存公開状況は2020/4/1 03:00時点で9,162件となっており、供給されたさい帯血本数は2019年度は1,481件、移植に用いられたさい帯血本数は2019年度は1,429本で、年々共有、移植件数ともに増加傾向になっていることがわかりました。

株式会社ステムセル研究所

民間さい帯血バンクは、自分専用の貸金庫のようなイメージでしょうか。さい帯血を採取し、専用で保管しておき、必要な時に利用する形になります。民間さい帯血バンクについては、主に最大手の「ステムセル研究所」について調べました。

臍帯血の現在の保管者数は2020/4/6現在(ホームページ)で53,798名とありますので、保存数だけで比較すれば、公的さい帯血バンクよりも多い状況です。しかしながら、研究目的での引き渡しを除き、実際に契約者のために利用したと思われる「契約者(依頼者)(血縁者を含む。)への引渡し件数」は、2017年9月6日時点で12件、2018年3月31日時点で15件(約6か月間で3件増加)、2019年3月31日時点で15件(12ヶ月で実績なし)となっており、こちらは実際にはあまり使われていない状況がうかがえます。

なぜ実績が少ないのか考えてみると、現状では「臨床研究として、預けた臍帯血を用いた治療が行われています。一般の保険診療は行われていません」(厚生労働省ホームページ)とあるように、再生医療についてはあくまで臨床研究の段階であり、すぐに保管しているさい帯血を使って移植手術をしてもらえる状況ではないことや、白血病の治療に使うとしても、白血病になる確率は10万人に数人程度であることため、本人の移植に使う確率はほとんどない、という記載もありました。

白血病 (WikiPedia)

さい帯血による治療はどこでしてもらえるのですか? (ステムセル研究所FAQ)

民間さい帯血バンクについては、過去に破綻してしまった業者(つくばブレーンズ)が保管していたさい帯血が流出し、違法に移植され、医師や関係者が逮捕される、という事件がありました。この事件を受けて、民間さい帯血バンクは厚生労働省への届け出を求めるようになり、現在届け出をしているのは「ステムセル研究所」と「アイル」の2社となっています。厚生労働省のページにもありますが、民間さい帯血バンクを利用する際には、「届け出を行っている業者か」だけでなく、業者の財務状況(破綻しないかどうか)、業務内容(臍帯血を安全に取り扱っているか)、契約内容、契約終了時の臍帯血の取り扱い(契約終了時に無断で提供されないか)等を充分に確認することが必要です。

保管契約終了後の検体の取り扱いについて (ステムセル研究所)

ということで結論です。上記のような実態を踏まえてよく検討した結果、民間さい帯血バンク(ステムセル研究所)に保管を依頼しようと考えています。医療機関が公的さい帯血バンクの提携施設ではないので、公的さい帯血バンクへの提供ができないこと、20年保管で約30万円の費用がかかり、使う確率は低いかもしれませんが、何かあったときの保険として、希望として、できることをしておきたいと思いました。あの時こうしておけば良かったという後悔はしたくないので。

以下、今回調べた情報をリンクしておきます。ご参考になれば幸いです。

動画館 (造血幹細胞移植情報サービス ポータルサイト)

※白血病(造血幹細胞)についてや、さい帯血移植のドナーについては、上記の動画館の中にある「ぞうけつおかん~体の中で大活躍するヒーロー一家!~」「骨ずい移植・さい帯血移植「ドナー」ってなに?~病気の人を助ける大切なしくみ~」の動画が分かりやすかったので、一度ご覧ください。

移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律等の施行について (日本産婦人科医会)

※法律の文章は難解ですが、【別添6】造血幹法通知(産科医療機関向け)の資料が分かりやすかったです。

さい帯血って何? (公明党)

※民間についての記載はないですが、さい帯血についてまとまっていてわかりやすかったです。

※本情報について
2020/5/5現在で、自分が調べたり体験した情報等を基に記載致しました。
情報の誤り等による不利益等が発生いたしましても、補償等は一切できませんのでご了承下さい。

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